国分寺市薬剤師会は、当初、東京都薬剤師会が区分する多摩中央地区薬剤師会に所属していました。多摩中央地区薬剤師会は、小金井市薬剤師会と国分寺市薬剤師会で構成されていました。ところが、平成20年に、多摩中央地区薬剤師は、小金井市の管轄である武蔵野税務署による指示のもと法人化にせざるを得なくなりました。小金井市薬剤師会は、平成22年4月1日付で一般社団法人を取得し法人化しました。国分寺市薬剤師会は、その後も、管轄の異なる立川税務署による指示等何も動きのないまま、小金井市薬剤師会の特別賛助会員という形で存続しました。しかし、法制上、多摩中央地区薬剤師会は活動停止となり、多摩中央地区管理センターの業務も停止となりました。
その後、国分寺市薬剤師会も税法上、平成23年8月1日付で一般社団法人を取得しました。その頃の記録として、一般社団法人国分寺市薬剤師会は、とりあえず、一般社団法人小金井市薬剤師会の特別賛助会員として、日薬ー都薬ー小金井市薬剤師会/国分寺市薬剤師会の形態は変わらないまま活動することになったようです。その後も慣習のまま令和4年度まで、その形態は変わらないまま続いてきました。
しかしながら、二次保健医療圏も、保健所の管轄も異なる2つの薬剤師会が、東京都薬剤師会から多摩中央地区薬剤師会として何故に区分されてきたのか、だいぶ以前よりその在り方について疑問を抱いていた会員が多くいたにもかかわらず、長い歴史があるために、そのパンドラの箱を開けることに誰もが躊躇してきました。一方、国は2025年に向けて地域包括ケアシステムの完成を目指し、社会状況はめまぐるしく変化していました。この変化に伴い、地域薬剤師会の業務は行政単位での活動が主となり、東京都薬剤師会からの業務委託も区市単位で振り分けられるようになっていました。国分寺市薬剤師会の理事会においても、小金井市薬剤師会へ多摩中央地区薬剤師会としての業務委託を継続するのはいかがなものかと1年半年をかけて議論、検討を重ねていました。東京都薬剤師会総務課には幾度となく相談し、他の地域薬剤師会の事情などについても研究していくうちに、小金井市薬剤師会への業務委託契約の更新は見送るという結論に至りました。正式に多摩中央地区薬剤師会からの脱退の意思を小金井市薬剤師会に伝えたところ大歓迎であると即答され、小金井市薬剤師会総会において承認を得るに至りました。その後、国分寺市薬剤師会定時社員総会において、令和5年6月1日付で多摩中央地区薬剤師会を解散し、小金井市薬剤師会および国分寺市薬剤師会の2つの薬剤師会に分かれる手続きを行うことが満場一致で承認されました。
昨年、令和5年6月1日より正式に独立独歩、小金井市薬剤師会ほか東京都薬剤師会等から多くのサポートをいただきながら、少しずつ組織作りを始めてきました。まだまだ組織としてはよちよち歩きの状態ですが、どうぞよろしくご指導ご鞭撻の程お願い申し上げます。
一般社団法人国分寺市薬剤師会は、通称「こくやく」と呼んでください。
国分寺市は、名前の通り、奈良時代(741年)に反乱や飢饉、天然痘の流行などを憂いた当時の聖武天皇と光明皇后が社会不安や政治の混乱を仏教の力でしずめるために全国69か所に建立された国分寺の一つである武蔵国分寺があったところです。武蔵国分寺は東大寺の次に大きな敷地を有し、「病気の災いを除き安楽を与える」という大願を果たした医薬を司る仏「医王」と別名のある薬師如来坐像が祀られています。そんな街に暮らす私たちは、薬師様に見守られ、薬剤師は薬師様に倣い、地域の皆様が安心した生活を送れるよう協働で臨みたいと思います。