一般社団法人国分寺市薬剤師会

在宅訪問Q&A

Q1.「訪問薬剤サポート」って何ですか。

A1. 薬剤師の在宅訪問活動は、医療保険では「在宅患者訪問薬剤管理指導」、介護保険では「居宅療養管理指導」といいますが,医師の訪問は「訪問診療」、看護師の訪問は「訪問看護」と呼ばれていますので、こくやくでは、「訪問薬剤」と呼んでいただけたらと思っています。

薬を届けるというイメージがつよいため「薬の配達」という言葉で依頼が来ることがありますが、宅配とは異なり、訪問して、患者様が暮らしやすいように、その方らしく生活ができるように、薬の整理や、薬による生活への悪い影響がないかどうかを評価して改善するためのサポートをしています。「配達」と呼ばれることに抵抗してまいりました。

「薬の訪問」「薬剤訪問」「薬の訪問サポート」「薬剤訪問サポート」などとおっしゃっていただけたら嬉しいです。モチベーションも上がります。チームの一員として頑張らせていただきます。

Q2.通院している患者様も「訪問薬剤サポート」の対象となれますか?

A2.対象患者様の要件は「在宅で療養を行っている患者であって通院が困難な方」となっています。
 
医科点数表では「独歩で家族・介助者の助けを借りずに通院できる者は通院が容易と考えられる」とされています。つまり、家族・介助者の助けを借りないと通院できない患者様も対象になると考えられます。

Q3.「訪問薬剤サポート」の依頼は、どこにしたらいいのですか?

A3.患者様がかかりつけの薬局をお持ちの場合は、直接、かかりつけ薬局にご相談ください。適切な薬局がない場合は、国分寺市内の薬局の医薬品提供体制リスト「在宅訪問」をクリックし、応需薬局を確認して、直接薬局へご連絡ください。

なお、医師の指示が必要です。処方せんの備考欄に「訪問指示」等を記載して患者様に交付してください。


Q4.薬局に在宅を指示するときに、処方せんの発行に併せて、診療情報提供書の発行が必要ですか?

A4.処方せんの発行に併せて、薬局に対して、診療情報提供書の発行をお願いします。同提供書は、薬局が薬学的管理指導計画を策定する際の重要な資料となります。,医科点数表では、診療情報提供料(Ⅰ)(250点)として評価されています。
注)医師の居宅療養管理指導を算定している場合は、診療情報提供料(Ⅰ)を算定できません。

薬剤師がご自宅でサポートさせていただくにあたり、予後、マネジメントに関する記載は重要視されます。そのためにも入院中の診断名や外来で必要なマネジメントの記載をお願いしています。特に高齢者のケア移行時には医学的な内容だけでなく、要介護度(申請状況も含む)、退院時のADL、患者および患者家族の疾患への理解度、アドバンス・ケア・プランニング(Advance Care Planning;ACP)の実施状況などの情報も大切です。

診療情報提供書に記載する重要ポイント(文献5をもとに作成)
●最終的な主診断名、既往歴と簡潔な入院経過(ショートサマリ)
●検査結果(生化学検査、培養検査と薬剤感受性検査など)
●退院後の生活において再入院予防につながる項目
●退院時または現在の処方内容
    ・スケジュールの記載(抗菌薬の投与期間など)
    ・処方目的と注意(予防内服や副作用など)
    ・入院前処方との比較(新規に処方した理由や処方を注視した理由)
●患者教育と患者および介護者の理解度(吸入手技、インスリン手技、内服管理、処置内容など)
●生活環境(ADL/IADL、介護区分、家屋状況など)
●アドバンス・ケア・プランニング(ACP)の実施状況
引用文献・URL
1)JAMA.2007 [PMID:17327525]
2)J Hosp Med.2016 [PMID:26913814]
3)BMC Med Educ.2012 [PMID:22894637]
4)J Gen Intern Med.2018 [PMID:29508258]
5)J Hosp Med.2006 [PMID:17219528]

Q5.「訪問薬剤サポート」の訪問回数はどうなっていますか。

A5.訪問薬剤サポートでは、薬学的管理指導計画を策定し、1ヶ月に4回まで定期訪問することができます。患者様の状態や、介護サービスの内容、患者様やご家族の希望などを考慮して訪問回数を設定します。なお、末期の悪性腫瘍または中心静脈栄養法の対象患者様については、週2回かつ1ヶ月に8回までの訪問が可能です。

また、患者様の急変等にともない、担当保険医の求めにより緊急に患家を訪問して必要なサポート(薬学的管理および指導)を1ヶ月に4回まで行うことができます。  

Q6.「訪問薬剤サポート」は、具体的にどのようなことをするのですか。

A6.医師からの診療情報提供書(介護保険を利用されている患者様の場合は、併せてケアマネジャー(介護支援専門員)からのケアプラン(介護サービス計画書))に基づき、薬学的管理指導計画を策定し、定期的に患者様宅を訪問して、下記の内容のサポートを行います。

<医療機関から処方箋発行>
  1.処方箋の内容を、前回までの訪問記録などと照合、鑑査し、処方内容について疑義がある場
    合は、処方箋発行元の医療機関やご本人、ご家族と連絡をとり、疑義解消をしてから、調剤
    します。
<薬を自宅にお届け>
  2.薬をご自宅までお届けします。
  3.わかりやすく、取り出しやすく、薬のセットをします。
<薬の利用状況、体調変化、生活状況を確認し、ていねいな情報共有>
  4.薬の利用状況や体調変化、副作用、薬が生活の邪魔になっていないかなどを確認して、ご本人
    やご家族の意見を伺い、改善のための工夫を提案します。必要に応じて、その場で、担当医
    や関係職種と情報共有し、アドバイスをもらいます。その場で改善できることは、工夫をし
    ます。
  5.薬の効果、副作用、使い方などについて、わかりやすく、相手の理解力に合わせて、わかる
    までていねいに説明します。   
<飲みやすくする工夫>
  6.患者様の状態や生活リズムに合わせて、薬をのみやすく工夫します。(用法、剤形の変更の
    提案など)
  7.患者様の状態や生活リズムに合わせて薬をのみ忘れないように工夫します.(薬の一包化、セ
    ットの仕方の工夫など)
<お薬の管理>
  8.のみ残した薬や、残っている薬を整理します。
  9.利用状況に合わせて、処方薬の数の調節を医師に依頼します。
<医師(ケアマネジャー)への情報提供>
 10.文書で情報提供書を作成します。
     ・患者さんの生活状況、体調や心の変化
      ・薬の利用状況、残薬と、次回処方での調節を依頼
      ・薬による体調や生活への影響と、その改善についての提案
 11.診察時に医師に伝えられなかったことがあれば伝達します。
<お問い合わせへの対応>
 12.薬に関する患者様、ご家族、その他関係職種からのお問い合わせにお答えします。
      ・誤薬の対応なども緊急で電話によるアドバイスを受けることができます。例えば飲み忘
       れや、一回の服薬時に2回分服用してしまった時に予想される症状や対応方法を薬剤師
       に確認することができます。

Q7.疼痛緩和療法や中心静脈栄養法における対応はしてもらえますか。

A7.疼痛緩和療法では、医療用麻薬の内服薬、貼付剤、注射薬の持続注入まで対応可能です。

また、中心静脈栄養法では、高カロリー輸液の無菌調製も可能です。

医療用麻薬の調剤や無菌調製が可能な薬局は、国分寺市内の薬局の医薬品提供体制リスト「在宅訪問」をクリックし、応需薬局を確認してご依頼ください。

Q8.注射用抗菌薬や電解質製剤を処方せん調剤することは可能ですか。

A8.注射用抗菌薬、末梢静脈栄養輸液を含む電解質製剤などの注射薬を処方せん調剤することは可能です。

国分寺市内の薬局の医薬品提供体制リスト「在宅訪問」をクリックし、応需薬局を確認してご依頼ください。

お問い合わせ

通称「こくやく」は、学術の振興を図るとともに、調剤、医薬品の供給その他薬事衛生をつかさどることによって、公衆衛生の向上および増進に寄与し、市民の健康な生活を確保することを目的として活動する職能団体です。薬のプロフェッショナルとして、薬と健康サポートに関する活動に取り組んでいます。

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